ラーメンや鍋など食べるとき、味噌風味はあまり好まないがみそ汁は大好きだ。ご飯とみそ汁さえあれば十分満足なくらいだ。朝はパン食なので晩に毎回作っている。独身の頃毎晩みそ汁が並ぶ友人宅をうらやみ、お母上の労力を尊敬した。普段のおかずにさらに一品作る手間。今ならこれがあるため一品なくてもいいか、と思ったりするのだが。
実家ではハンバーグが回ってくるのと同じくらいのサイクルでみそ汁が食卓に並んだ。どうやら母は味噌が嫌いだったらしい。なのでめったに並ばないみそ汁は旅行に行った時のホテルの和朝食並みのあこがれだった。結婚すると、オットはみそ汁大好き。何はなくてもみそ汁、の人間だった。カレーライスやパスタの時にも一緒に飲みたがるのはどうかと思うが、普通食だと私も毎回みそ汁が並ぶことに異存はない。何せ便利だ。子供が生まれてからは他の料理で食べない野菜を投げ込みあれこれ食べさせようとした。だが結局一番の人気は豆腐、わかめ、アゲのようだ。栗原はるみさんのレシピにある、豆腐を手でつぶして入れ、ごまをたっぷり入れるのもうまいのに私だけが気に入っているようだ。
そういうわけで味噌の消費量はかなり多い。いっとき、「こだわりの友人」が無農薬の材料を取り寄せ、手作りしたのを分けてくれていた。だが、これも相当な手間と体力が要る。いつまでも「一緒に手伝う」と言い出さないので、疲れたのだろう、いつの間にか届かなくなった。
そんなときひょんな事から縁があった味噌。
味見をしたらうまかったので送ってもらうことにした。ほどよい甘みと深みがあっていろんな具となじむ感じだ。だが、お値段もかなりびっくりの額だ。決めるのに勇気がいった。まだ残っている手作り味噌と合わせて使っていけばたんまりあるから1年くらいは安心だ。
実家の母は「そんなのスーパーへ行けばたっぷり入って何百円のがあるのに・・」とあほだ、ばかだ、無駄金捨てた、(とは言ってないがそう聞こえた)と驚いた。きっと味噌に差別と偏見を持ってるに違いない。この味噌を使ったみそ汁を出したら義妹は「とてもおいしい♪」と喜んでくれた。これに変わると子供も「今日のみそ汁はおいしい」と気が付いた。買ってよかった。